有料noteを書いてみたものの、思ったように売れない。
そんなとき、「もっと文章力を上げなければ」と考えて本を探す人は多いと思います。
けれど、売れない原因が文章とは限りません。
そもそもテーマに需要がない場合もあれば、無料部分で商品の価値が伝わっていない場合、記事自体を見つけてもらえていない場合もあります。
noteには有料記事をはじめ、有料マガジン、メンバーシップ、定期購読マガジンといった収益化の方法があります。
商品を公開する機能は最初から用意されているため、その先で差が出るのは「何を売るか」「どう伝えるか」「どう届けるか」です。
本を10冊読むこと自体が目的ではありません。
今つまずいている場所を一つ見つけ、それを直すための本を一冊選ぶ。
この記事では、その基準で10冊を選びました。
noteで稼ぐための本10冊を先に比較
全部読む必要はありません。
現在の悩みに近いものから選んでください。
| 本 | 学べること | こんな人向け |
|---|---|---|
| ドリルを売るには穴を売れ | 顧客価値・マーケティングの基本 | 何を売ればいいかわからない |
| USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 | 顧客視点・戦略の基本 | 発信テーマが広すぎる |
| 実践 顧客起点マーケティング | 一人の読者を深く見る方法 | 読者像がぼんやりしている |
| 新しい文章力の教室 | 読みやすい文章の作り方 | 本文がまとまらない |
| 沈黙のWebライティング | Web文章・検索流入 | Googleからも読まれたい |
| ザ・コピーライティング | 見出し・広告文章の考え方 | タイトルや冒頭が弱い |
| コピーライティング技術大全 | 販売文章を体系的に学ぶ | 有料部分への導線を直したい |
| 影響力の武器[第三版] | 人が判断するときの心理 | 購入判断を理解したい |
| ファンベース | 継続して読んでもらう考え方 | 一度売って終わりになっている |
| セールスコピー大全 | 商品の魅力を言葉にする方法 | 販売ページを直したい |
「最初の一冊だけ選んで」と言われたら、『ドリルを売るには穴を売れ』を推します。
文章を書く前に、「読者は何を欲しがっているのか」を考える土台を作れるからです。
青春出版社も本書をマーケティングの基本を体系的に学ぶ書籍として案内しています。
1. 『ドリルを売るには穴を売れ』|何を売るか決まらない人へ
マーケティングを初めて学ぶなら、最初の候補にしたい一冊です。
本書で重要なのは、「商品そのもの」ではなく、顧客が商品を買うことで得たい価値を見るという考え方です。
2006年刊行の本ですが、青春出版社では現在も販売されています。
noteにもそのまま使えます。
例えば「Excel時短術をまとめたnote」を売るとします。
読者が欲しいのはExcelの知識そのものではなく、「残業を減らしたい」「毎月の集計を早く終わらせたい」といった変化かもしれません。
- 「Excel関数を20個まとめました」
- 「毎月2時間かかっている集計作業を見直すためのExcel関数20選」
この2つでは、誰の何を助ける商品なのかが違って見えます。
noteへ活かすなら
有料記事を書く前に、次の3つを考えてみてください。
- 読者は現在、何に困っているのか
- 記事を読むと何ができるようになるのか
- 読者は情報そのものではなく、何を得たいのか
テーマが決まらない人、有料noteを作っても「誰向けなのかわからない」と感じる人に向いています。
2. 『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』|発信テーマを絞りたい人へ
マーケティングを「売るための小技」ではなく、事業全体から考えたい人向けです。
本書ではマーケティングの役割や戦略的な考え方を、マーケター以外にもわかる形で扱っています。書籍は2016年に刊行されました。
noteで特に役立つのは、何でも書くのではなく、限られた時間をどこへ使うか考える視点です。
会社員が副業でnoteを運営する場合、使える時間には限界があります。
AI、副業、転職、日記、ガジェット、仕事術と毎回違うテーマを書くより、「誰に何を届ける発信なのか」を決めたほうが関連記事をつなげやすくなります。
例えば「副業」という大きなテーマでも、「本業が忙しい30代会社員が、平日夜にできる副業」という範囲まで絞れます。
noteへ活かすなら
この本を読みながら、自分のnoteについて以下を書き出します。
- 主に読んでほしい人
- その人が抱えている悩み
- 自分が扱うテーマ
- あえて扱わないテーマ
「書きたいことはたくさんあるけれど、アカウント全体にまとまりがない」という人に合います。
3. 『実践 顧客起点マーケティング』|読者像を具体的にしたい人へ
「30代会社員」「副業初心者」のような大きなくくりだけでは、読者の悩みまで見えてきません。
『実践 顧客起点マーケティング』では、たった一人の顧客を見る「N1」の考え方を扱っています。
書籍の公式ページでも、一人の顧客を分析することを中心に据えています。
noteにも応用しやすい考え方です。
例えば「副業を始めたい会社員」では広すぎます。
過去の自分や、実際に相談された相手を一人思い出すと、「何を選べばいいかわからない」「会社に知られないか不安」「平日は30分しかない」といった具体的な状況が出てきます。
そこから記事を作ると、内容を絞りやすくなります。
noteへ活かすなら
有料noteを企画するとき、架空のペルソナを細かく作る前に、実在する一人を思い出してみてください。
その人について、下記を書き出します。
- 何に困っていたか
- 何をすでに試したか
- どこで止まったか
- 何を知ったら前へ進めたか
テーマが抽象的になりやすい人に向いています。
4. 『新しい文章力の教室』|読みやすい本文を書きたい人へ
テーマが良くても、文章が読みにくければ途中で離脱されます。
『新しい文章力の教室』は、ニュースサイト「ナタリー」で培われた文章作成の考え方をもとにした本で、インプレスから2015年に刊行されています。
noteを書く人にとって使いやすいのは、派手なセールステクニックよりも、文章を最後まで読める状態へ整える方法を学べることです。
有料noteでは文章量が多くなるケースがあります。
一文が長い、同じ説明を何度もする、話が途中で別方向へ飛ぶ、といった問題があるなら、販売テクニックより先に文章自体を整えたほうがいいでしょう。
noteへ活かすなら
公開前に、
- 一文が長くなりすぎていないか
- 同じ内容を繰り返していないか
- 主語と述語が離れすぎていないか
- 見出しと本文の内容が一致しているか
を確認します。
文章を書くこと自体に苦手意識があるなら、10冊の中でも優先度は高めです。
5. 『沈黙のWebライティング』|検索からnoteを読んでもらいたい人へ
note内やSNSだけでなく、Google検索から記事へ来てもらいたい人向けです。
『沈黙のWebライティング』は、SEOを意識したWebライティングを扱う書籍で、2022年には改訂版が刊行されています。
SEOというと「キーワードを何回入れるか」の話だと思われがちですが、検索する人が何を知りたいのかを考え、その疑問へきちんと答えることのほうが重要です。
例えば、「最近副業について思うこと」より、「会社員が副業を始める前に確認しておきたいこと」のほうが、検索する人の疑問を想像しやすくなります。
noteへ活かすなら
すべての記事をSEO向けにする必要はありません。
検索流入を狙う記事だけ、下記を考えます。
- 誰が何を検索するか
- その人が最初に知りたい答えは何か
- 次に生まれる疑問は何か
- 自分の記事でしか加えられない経験は何か
無料記事から検索流入を取り、有料記事へつなげたい人にも向いています。
6. 『ザ・コピーライティング』|タイトルと冒頭を改善したい人へ
記事の中身以前に、タイトルを見ても開いてもらえない。
そんなときに候補になるのがコピーライティングの本です。
『ザ・コピーライティング』では、広告表現を感覚だけで決めず、広告の反応を確かめながら改善してきた考え方を学べます。
noteで応用しやすいのは、タイトルや冒頭部分です。
例えば、「副業について考えたこと」では内容がほとんどわかりません。
「副業を始めたい会社員が、最初の1週間でやること」なら、対象と内容を判断できます。
ここで注意したいのは、数字を入れれば強いタイトルになるわけではないことです。
実際には検証していないのに「3日で」「売上10倍」「成功率90%」といった数字を付けるのは避けてください。
noteへ活かすなら
タイトルを作ったら、
「誰向けか」
「何がわかるか」
「読む理由が伝わるか」
の3点を確認します。
煽るためではなく、記事の内容を短い言葉で正確に伝えるためにコピーライティングを使います。
7. 『コピーライティング技術大全』|有料部分への導線を細かく直したい人へ
コピーライティングを一冊手元に置き、必要なところを辞書のように確認したい人向けです。
ダイヤモンド社から2021年に刊行されており、商品やサービスを言葉で伝えるためのコピーライティングを体系的に扱っています。
有料noteでは、無料部分の終わり方が重要です。
ここで必要なのは、「今買わないと損します」と不安を煽ることではありません。
読者が購入前に知りたい、
- 有料部分には何が入っているか
- 誰に向いているか
- 誰には必要ないか
- 購入後に何ができるようになるか
- テンプレートなどの付属物はあるか
をわかりやすく伝えることです。
noteへ活かすなら
無料部分の最後に、有料部分の目次だけを置くのではなく、「この先を読むと何を持ち帰れるか」も書きます。
例えば、「第4章 案件獲得」だけでは内容がわかりません。
「実際に応募文を作れるよう、案件の探し方・選び方・応募文テンプレートまで掲載」と書けば、購入後の内容を判断できます。
8. 『影響力の武器[第三版]』|読者が購入を判断する心理を知りたい人へ
人がどのような条件で判断しやすくなるのかを学べる本です。日本語版第三版は誠信書房から刊行されています。
現行のこの記事でも紹介していましたが、noteへの使い方は変更します。
「希少性を使って買わせる」「損失を強調して焦らせる」という方向には持っていきません。
自分が商品を販売するとき、
「利用者の声があると安心するのはなぜか」
「専門家の情報を信用しやすいのはなぜか」
「無料で役立つ情報をもらったあとに好意を持つのはなぜか」
といった、人間の判断の癖を理解するために使います。
noteへ活かすなら
心理効果を使うときほど、事実から離れないことが重要です。
存在しない購入者レビューを作らない。
期間限定ではない商品に「今だけ」と書かない。
実績がないのに権威があるように見せない。
心理学は読者をだます方法ではなく、読者が安心して判断できる情報を考える材料として使う。
この前提で読むのがおすすめです。
9. 『ファンベース』|一度読んだ人にまた来てもらいたい人へ
noteで収益化を考えると、新しい読者を増やすことばかりに目が向きます。
一度読んでくれた人との関係をどう続けるかを考えたいなら、『ファンベース』が候補です。
筑摩書房では、本書の「ファンベース」を、ファンを大切にしながら中長期的に価値を高めていく考え方として説明しています。
有料記事を一回販売して終わりにするのではなく、
無料記事 → 有料記事 → 関連記事 → 新しい記事
と読み続けてもらえれば、毎回ゼロから読者を集める必要がなくなります。
noteへ活かすなら
「ファンを作らなければ」と大げさに考えず、まずは次のような部分を整えます。
- 同じテーマの記事を見つけやすくする
- 過去記事への内部リンクを付ける
- プロフィールで発信テーマを伝える
- 質問や感想から次の記事を考える
- 過去記事も必要に応じて更新する
フォロワー数を追いかけるより、すでに読んでくれた人が「また読みたい」と思える状態を作る考え方として使えます。
10. 『セールスコピー大全』|販売ページの言葉が決まらない人へ
「良い商品を作ったつもりなのに、説明すると急に魅力がなくなる」という人向けです。
『セールスコピー大全』は、「見て、読んで、買ってもらえるコトバの作り方」をテーマにした書籍です。
noteでは有料部分だけでなく、販売前に読まれる文章も重要です。
例えば、「私の経験をすべてまとめました」だけでは、読者にとって何が役立つのかわかりません。
「初めてデザイン案件へ応募する人向けに、案件の探し方から応募文を送るところまでを一つにまとめました」なら、対象と内容が見えます。
- 自分の希少な経験を書き出す
- AIやツールを掛け合わせて商品化する
- 価格ではなく“独自性”で勝負する
誰でも書ける内容は、価格競争になります。
あなたしか書けない経験は、競争になりません。
noteへ活かすなら
販売文章を書くときは、自分が頑張って作ったことより、購入者から見た情報を優先します。
特に確認したいのは、
- どんな人向けの商品か
- 何に困っている人を助けるか
- 具体的に何が入っているか
- 読み終わった後に何ができるか
- 購入前に不安になりそうなことは何か
商品説明が抽象的になっている人なら、実際の記事へ反映しやすい一冊です。
結局、最初の3冊はどれを読めばいい?
10冊すべて買う必要はありません。
現在の状況に合わせるなら、次の選び方で十分です。
まだ有料noteを作っていない
『ドリルを売るには穴を売れ』
最初に「何を書けば売れるか」ではなく、「読者は何を得たいか」を考える癖を付けます。
有料noteはあるが、文章に自信がない
『新しい文章力の教室』
販売テクニックを増やす前に、本文を最後まで読みやすい状態へ整えます。
記事は読まれているが、商品の価値が伝わらない
『セールスコピー大全』
タイトル、無料部分、商品説明を見直す材料として使います。
この3冊を読んだ後に、自分の課題に合わせてSEO、顧客理解、ファン作りへ広げれば十分です。
「売れない=本をもっと読めばいい」とは限らない
本を読む前に、一度自分のnoteを確認してください。
売れていない原因によって、読むべき本が変わります。
そもそも記事が見られていない
SEOやSNSなど、集客側を確認します。
おすすめは『沈黙のWebライティング』です。
記事は見られるが、有料noteへ進まれない
テーマや読者とのズレ、内部リンクを確認します。
『ドリルを売るには穴を売れ』『実践 顧客起点マーケティング』が候補です。
販売ページまで来るが購入されない
無料部分、商品説明、価格、内容の見せ方を確認します。
『セールスコピー大全』『コピーライティング技術大全』が候補です。
買ってもらえるが、その後につながらない
関連記事や継続発信を確認します。
『ファンベース』が候補です。
本を選ぶ基準も、現在どこで読者が止まっているかです。
本を読んだら「1冊につき1か所」noteを直す
ビジネス書を読んでいると、付箋やメモだけが増えていくことがあります。
noteを改善する目的なら、一冊から大量の知識を覚える必要はありません。
例えば『ドリルを売るには穴を売れ』を読んだら、既存の有料noteを一つ選び、「この商品を買う人は、結局何を得たいのか」を書き直す。
『新しい文章力の教室』を読んだら、一記事だけ推敲する。
『セールスコピー大全』を読んだら、一商品の説明文だけ直す。
読む → 一か所直す → 反応を見る
ここまでを一セットにしたほうが、本を買い続けるだけの状態を避けられます。
本に書かれた手法を、そのまま全部noteへ持ち込まない
今回紹介している本には、広告、企業マーケティング、SEO、ブランドなど、それぞれ異なる前提があります。
企業が広告で商品を販売する方法を、個人のnoteへそのまま当てはめる必要はありません。
特にコピーライティングや行動心理の本を読むと、
- 期間限定
- 希少性
- 損失回避
- 権威
- 購入者の声
- 数字を使った見出し
などが出てきます。
使うこと自体が問題なのではなく、事実と一致しているかを確認してください。
本当に期間限定なら書く。実際の購入者から許可を得た感想なら掲載する。自分で計測した数字なら条件と一緒に示す。
売るために事実を作るのは別の話です。
noteで稼ぐために必要なのは「読書量」より課題に合った一冊
有料noteが売れないとき、マーケティング本を大量に読む必要はありません。
「テーマが決まらない」のか、「文章が読みにくい」のか、「見つけてもらえていない」のか、「商品の価値が伝わっていない」のか。
まず問題を分けます。
テーマ選びなら『ドリルを売るには穴を売れ』。
文章なら『新しい文章力の教室』。
検索流入なら『沈黙のWebライティング』。
商品説明なら『セールスコピー大全』。
一冊読んだら、既存記事を一つ直してください。
その繰り返しなら、「売れる本を探す」状態から、自分のnoteを改善するために本を使う状態へ変えられます。



